会長あいさつ
会長就任にあたり
会長就任にあたり
日本教育工学協会会長/東京学芸大学 教授 高橋 純
日本教育工学協会の会長に推挙され、2022年4月1日付で着任いたしました。本協会は、全国37の地域研究団体からなる2,000人に及ぶ団体会員を中核とし、実践を支えていただいている42社の賛助会員、100名を超える教育工学研究者によって構成されています。1971年の設立以来、50年あまりにわたり、数多くの優れた成果を上げてきました。現在、GIGAスクール構想、コロナ禍における様々なICT活用、校務の情報化など、本協会が長年取り組んできた研究成果が試されています。全ての児童生徒が情報端末を持った学校では解決すべき問題が山積しており、ますます本協会の役割は大きくなっています。これまでの長い歴史の蓄積を生かし、さらなる飛躍を目指すべき時期にあるといえます。
本年開催される第48回全国大会は、10月28・29日に愛知県春日井市を会場に実施します。ご存じの通り、春日井市は校務の情報化、授業におけるICT活用に長年取り組んでおり、GIGAスクール構想においてもそのノウハウを生かし、短時間で優れた実践を開発、地域への普及を図っています。公開授業校として、小学校3校、中学校3校を予定しております。本大会こそは対面での開催とし、児童生徒による充実したICT活用を含む授業が参観できるように精力的に準備をしております。既に2月にはプレ大会がオンラインで開催され、約500名の参加申込をいただき大盛況のうちに終了しました。多くの皆様のご参加をお待ちしております。また、次年度の第49回大会は、青森県での開催を予定しております。
本協会の自主事業として2015年1月にスタートした「学校情報化認定」事業では、教科指導におけるICT活用、情報教育、校務の情報化に積極的に取り組んでいる学校を称え、「学校情報化優良校」として認定しています。そして、学校情報化優良校が一定以上の割合になった地域を「学校情報化先進地域」として認定しています。さらに、特に優れた取り組みを行っている学校を「学校情報化先進校」として表彰しています。2022年2月現在、学校情報化優良校には1,618校、学校情報化先進地域には17地域が認定されています。認定の際に用いられるチェックリストは、2021年4月にはGIGAスクール構想に対応した新しいものになりました。学校や地域が積極的に情報化に取り組んだ証として、多くの皆様にご活用いただきたいと思います。
教育の情報化実践セミナーも、年3回の開催を予定しており、2023年2月4日にはプレ大会が青森県で開催される予定です。また、会員向けイベント等も企画しております。
本協会は、学校教育に関わる教員・研究者・企業が教育工学研究を通して、広くその成果を共有し、普及啓発活動をもとに、我が国の教育の向上に資するために組織化された団体です。私は、特にこの分野における持続可能な教育実践の普及と実践の質の向上に寄与できる組織でありたいと思います。実践者の先生方、企業の皆様、そしてこの分野の実践研究に関わる研究者の先生方に、本協会へのさらなるご支援ご協力をお願いいたします。
これから2年間、協会発展のために全力を尽くして参りますので、何卒よろしくお願いいたします。
2022年4月