2026.8.27
今,この先生に話を聞きたい(5)150分の1からの発信
和歌山大学教職大学院 教授 豊田充崇
『和歌山県「教育の情報化」授業研究会』は、2017年開催のJAET全国大会(第43回 全日本教育工学研究協議会全国大会 和歌山大会)に向けて組織されました。当時は、教室に大型提示装置(プロジェクターか電子黒板)が普及し始めた頃で、コンピュータ室に集合してPCを使用することが標準的でした。先進的な学校であっても、1クラス分だけのタブレットがあり、その都度貸し出して共有して使用するといった状況でした。小学校へのプログラミング教育も導入前で、大会時の公開授業ではプログラミングの授業が注目されていました。
さて、当会の結成から10年が経過しましたが、主軸である和歌山大学教育学部附属小学校では、例年1月に「ICT活用授業研究会」を継続して実施しており本年度で19回目をむかえます(本年度は2027年1月30日開催予定)。ICT活用研究に特化した会を学校あげて20年近く継続しているケースは私の知る限りでは他にありません。第一回目の研究会では、JAETの歴代会長である堀田龍也氏、野中陽一氏そして現会長の高橋純氏、他には長年JAET理事を務められた木原俊行氏らが一堂に会するという豪華ラインナップでした。このICT活用授業研究会の資料を読み解くと、この20年間での変遷が手に取るように分かります。当時は、実物投影機やデジタルカメラの活用が中心で、現在のようなタブレット一人一台体制で生成AIを児童生徒が使うといった光景は全く予想できませんでした。今後は、次期学習指導要領での「情報の領域」に焦点を当てて、県内の先導的な実践を牽引していきたいと考えています。
なお、当会メンバーの実践事例は、和歌山県教育委員会「きのくにICT」にも活かされています。例えば、「きのくにICT」のサイトにある情報活用能力一覧表や、プログラミング指導案集などにも、当研究会メンバーの事例を提供していますのでぜひご参照いただければと思います。https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/501500/d00213120.html
一方で、和歌山県は地理的に不利な面もあり、なかなか全国的レベルの情報・実践事例などが共有できておりません。そこで、当会は全国的な研究会の誘致にも取り組んでいます(昨年度の例:https://www.d-project.jp/2025/images/D-Project_2026wakayama.pdf)。
まだまだJAET大会での発表件数などは増えていないのですが、今後は視野を広げ、自分たちの実践を価値づけするためにも、積極的に研究発表の機会を増やしていく予定です。なお、当会は、和歌山大学豊田研究室に拠点を置いていますが、他にも県内にLEG(LoiLo認定教育者グループ),GEG(Google Educator Groups),CEC(Canva Educators Community)といった団体もあります。それぞれの得意分野を活かして活動をおこなっており、年に一度はそれぞれの壁を取り去った合同の会(Wakayama Teachers FES:https://wakayamakenkyoui.note.jp/n/nf6f28a24192a)も実施しています。今後は、県内はじめ県外交流などもおこない、近隣の研究団体の皆様をはじめ同様な境遇にある研究団体様との情報共有や人的交流を深めていきたいと考えております。
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